インターネット文学の最高峰は「湘南から元気倶楽部」

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

 

はてな20周年ときいて、「ああ、もう、そんなに経つのか」と思った。記念すべきことだし、最近このブログもご無沙汰だし、何か書いておきたい。わたしとインターネットといえば、なんだろうか。いつから触れていただろうか。

 

思いおこしてみると、私にとってインターネットとの出会いは大学の電算室だった。1900年代の終わりごろ、まだ、当時のジェイフォン(いまはソフトバンク)が audocomo と3大キャリアとして競っていたころだった。友人の中にはポケべルや携帯電話をもつヒトがそれなりにいたと思うが、私は携帯電話は煩わしく思う性分で、ポケベルや携帯電話を持つ気になれなかったし、持っていなくても困らない時代だった。

 

大学生になったばかりの私は、まだインターネットを知らなかった。大学の課題をこなすために電算室に行き、コンピューターに触れていた。たしか、最初の頃はWindowsNTで、しばらくしてWindws2000に変わったと思う。そこで「検索エンジン」に出会った。「検索エンジン」が、私にとっては「インターネット」だった。興味のあることに関して世界中から情報を得られることがとても刺激的で、すぐに嵌まった。読書がそれなりに好きな私は、本の代わりにウェブサイトを読むことが増えた。海外の情報に直接アクセスできることが凄く刺激的だったし、多くの人がWEB上でホームページをつくっていて、面白いテキストがたくさん掲載されていて、飽きることが無かった。

 

そして、いつ出会ったのかはもう忘れてしまったが、私にとっての「インターネット文学」の最高峰は当時も今も「湘南から元気倶楽部」だ。これ一択である。

 

serogan.la.coocan.jp


イカした大人のわび・さび・かるみ」が詰め込まれたテキストサイトである。1997年末にはじめられたとのことで、20周年のはてなよりも歴史が長い。ついでにいえばgoogle 設立(1998年9月)よりも早い。まさに草分け、レジェンド。数年前に「湘南から元気倶楽部 cafe」という名前に変わり、サイト全体が大人の雰囲気でシンプルに再編された。広告やアフィリエイトはなく、ただただ「面白いモノを公開したい」という作者(静 炉巌さん)の意欲でずっと更新され続けている。今もたまに覗いて、リフレッシュさせてもらっている。

 

そんなわけで、インターネット文学賞に「湘南から元気倶楽部 cafe」を推薦します。

 

それと、Wikipediaも今年で20周年。私にとってインターネットを象徴するメディアは「はてな」と「Wikipedia」だ。これらが同じ年に立ち上げられているのも、なんだか感慨深い。どちらも無事に30周年を迎えられることを祈っています。

「平穏死」のすすめ

 特別養護老人ホームの常勤配置医が介護現場の最前線から本音を発信している本。

 自分が疑問を持っていること、自分が「医療現場では、無理に延命するのではなく、自然に死ねるようにする方ががいいのでは」と思っていることなどに、答えを出してくれる内容だった。現場のベテラン医師が書いているだけに説得力もある。2010年に単行本として出版されており、出版からもう10年が経つ。この本の存在にこれまで気づけなかったのは、我ながら意外だった。 

 

 「高齢者で、嚥下機能が低下し、自分の口で食べられなくなった場合、その人の生命の限界がきていることが多い。そういうときは、胃ろうをして経管で栄養注入したり、無理に食べさせたりするのではなく、自然に死に向かうのを看取るのが良い。それが平穏死につながる」というような、きわめて当然と思われることが、現代の医療現場とか介護の現場では10年前はまだ主流になっておらず、平穏死を推進する方針で特別養護老人ホームを運営することが難しい(難しかった)という現実が記載されていた。

 この本の著者である石飛氏と、高齢の医師で有名な日野原重明氏と、川島みどり氏は、2010年の時点で、そのような状況を変革すべく強いメッセージを放っているとのことだった。全然知らなかった。

 いかに「平穏」に死を迎えられるか。老衰による死をどのように普通のこととして受け止めていくのか。今後数十年で「平穏死」の概念が改めて世間のスタンダードになってほしい。昔は、たぶんそれが普通だったと思うのだが・・・。

 私自身、痴呆症になった後、息子たちや、自分の息子たちの世代の世話になって生きながらえるのは不本意なので、痴呆症になる前に、何らかの形で、出来るだけ周囲に迷惑をかけずに死を迎えられるような準備をしたい。そういったことが普通にできる法制度や社会の仕組みの整備は、あと20年程度で実現されるのだろうか。それが不安でならない・・・。

 

 

 

欧米には寝たきり老人がいない

 先日、2年ぶりに会った友人と話をしていて日本の医療費についての話題になったとき「欧米には寝たきり老人はいないらしいよ」という話が出てきた。私は知らないことだったので、その情報はどこから得たのか尋ねてみると、ある本を紹介された。 それが↓の本。

欧米に寝たきり老人はいない - 自分で決める人生最後の医療

欧米に寝たきり老人はいない - 自分で決める人生最後の医療

 

この10年ほど、ずっと、「なぜ、寝たきりを許容するのか」と疑問に思ってきた。それは不合理ではないかと。それで昨年、日本尊厳死協会というものを見つけて、入会資料を取り寄せたりはしていた。

https://www.songenshi-kyokai.com/

それ以上は調べてはこなかったので、友人から本を紹介されてハッとした。さらに調べてみると、最近は「平穏死」というタイトルでも書籍が出ているらしい。

↑の本とあわせて、何冊か読んでみようと思っている。

 

追記:

 読んだ。現場の医師が書いていて、医療従事者の中でも認識や立場にばらつきがあって、一様でないこと。諸外国の状況。看護師や介護士の立場でどう思っているのか。などなど。救急救命士のコメント、家族のコメントも載っていて、涙なしには読めない部分も多かった。高齢者医療、終末期医療、日本の医療制度、医学教育などを考えるうえでは必読の一冊と思う。

 

 日本救急医学会など

 救急・集中治療における終末期医療に関するガイドライン

 https://www.jsicm.org/pdf/1guidelines1410.pdf

 

 厚生労働省 終末期医療の決定プロセスにおけるガイドライン

 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/05/dl/s0521-11a.pdf

 

  日本尊厳死協会

  https://songenshi-kyokai.or.jp/

 

 日本老年医学会

 https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/proposal/guideline.html

 

 

いつも時間がないあなたに

「いつも時間ないあなたに」という本を読んだ。

そこに書いてあったことで、1つ、ビックリしたことがある。

 

労働時間として週40時間が最適なようだ、ということを導いて実践したのは、米国のヘンリー・フォードだったらしい。彼が自動車などの工場で色々と試してみた結果として、週40時間の労働というサイクルが、生産効率最適という結論だったらしい。

 

T型フォード と呼ばれる自動車の大量生産が現代の車社会のハシリであったことは、たぶん25年ほど前に経営学を学んだ学生にとっては「知らなければモグリ」というぐらいに有名なことだ。でも、そのフォードが、週40時間の労働時間が最適ということを発見していたという話は、それなりに必死に経営学を学んでいた学生だった自分は、まったくきいたことがなかった・・・。ビックリした。

 

これに触発されて、最新の米国の研究成果をいくつか調べてみると、労働時間が週48時間を超えると、限界生産物の量が低下していくという研究結果が発表されていた。

https://www.lifehacker.jp/2017/02/170201_work_less.html

https://siepr.stanford.edu/people/john-pencavel

http://ftp.iza.org/dp8129.pdf

3つ目のURLが論文そのものだ。

原文を全部読む時間はないので、つまみ食いしてみたが、どうもかなり限定的な環境下での考察のような気がする。どこまで普遍的な話かは分からない。けれど、自分の親戚でスーパーの店長を長年務めた人も、「だいたい、19時とか20時が限度や。毎日9時ぐらいから働くとして、そのぐらいで終わらせんと、効率悪くなる」・・・と言っていたので、大体あたっている気がする。

 

改めて、最適な労働時間の根拠に触れた気がしたので、少し驚いたこともあって、記録しておく。

 

これとあわせて、「時間管理術」という日経文庫の古い本も、改めて読むとすごく新鮮で普遍的なことが書いてあった。

 

毎日の時間の使い方を再考するのに、すごく役立ちそうだ。

 

・・・労働時間のこと以外に、「いつも時間がないあなたに」という本で書いてあったのは「処理能力」の「欠乏」についてだった。これはこれでとても面白く、参考になることが書いてあった。処理能力が欠乏することによって、IQでいえば10ポイント程度の能力差が発生することが学術的に確かめられた、ということらしい。貧困によって、時間やお金や物資はもちろんだが、未来を良くする活動のための「処理能力」も奪われている、という考察が、当然のようでいてそうでもなく、けっこう衝撃だった。

 

何度か読み直して、人間の行動とか社会の原則として理解しておきたい本だ。

 

医者になった友人の話

お盆休みに、医者になった友人と会った。

 

受験勉強ではずいぶんな努力をして、そこそこ有名な私立大学の医学部に入って医者になったヤツだ。けっこう真面目なヤツだ。結婚もして、子どもが2人いる。

 

そいつはいま、月に1~2回しか自宅に戻らないという生活をしていて、病院の中の女性看護師と浮気ザンマイらしい。なんと相手は5人いるという・・・。呑みながら、相手とのLINEやら写真やらを少し見せてくれたが、呆気にとられてしまった。その一方で夫人とはセックスレスらしい。

 

「嫁さんは気づいていない」とうそぶいていたが、絶対にバレていると思う。

 

いまも医療には真摯に向き合っている様子だが、夜の生活は乱れまくり。

人間には本当に、色々な側面がある。

 

 

神・時間術

 久しぶりに「ハウツー本」とか「自己啓発本」といわれるジャンルを読んだ。

 仕事が多すぎて本を読む時間自体が激減していたので、数時間で軽く読めるものを、と思って手に取ったものだ。案の定、書いてあることはこれまで他の本や雑誌で目にしてきたことが9割だったが、著者の実体験として書いてあるので納得感はあった。以下まとめ。

 

#著者の樺沢紫苑氏は精神科医である。書いてあることも、知識をひけらかすような記述は一切ないが、医学的な知見に裏打ちされている様子。

1.カーテンを開けて日光を浴びるようにした方が目覚めが良い。

2.人間の集中力には15分、45分、90分、といった区切りの目安がある。ただし個人差がある(90分には±10~20分程度の差異があるらしい)ので、自分に最適な分数は自分で見つける必要あり。

3.寝る前2時間は血糖値を上げる食事をしないほうがよい。血糖値が上がると睡眠時に出るはずの成長ホルモンが出づらくなって、疲労回復力が弱まる。色々と「良い睡眠」の作法はあるが、とにかく寝る前、2時間以内の食事は絶対に避けるべき、とのこと。

4.人間の脳は、視覚情報の処理に90%のキャパシティを使うと言われているので、休むときは「目を閉じる」のが重要。休憩時間にスマホなどを操作するのは逆効果。脳は休まらない。脳波を調べると、目を開いているときは「ベータ波」がほとんどだが、目を閉じるとすぐに「アルファ波」が出はじめる。

5.ストップウォッチを手にして制限時間を気にしながら仕事をすると生産性があがりやすい。

6.5分の仮眠でも、効果は大きい。あまりに眠いときは5分ほど寝てしまうのが良い。しっかり仮眠する場合は20~30分が最適。

7.運動は、脳に良い影響を及ぼす。30分程度の有酸素運動をすると、大雑把に言えば脳が育って集中力を高めるしやる気も出る。知的重労働には運動が必須。村上春樹も毎日欠かさずランニングしている。

8.毎日同じ時刻に起きて同じ時刻に寝るのが良い。体がサイクルを覚えるので集中力を得やすくなる。

9.8時間睡眠と比べて、6時間や4時間の睡眠の場合、認知能力が低下する。6時間を切ると明らかに集中力などが低下する。7~9時間の睡眠が良いという研究もある。

 

<現状>

1.知っていたし、実践している。

2.知っていたが、実践してない。今後活用してみる。

3.知っていたし、実践しようとしたが挫折。改めて実践する。

4.知らなかった。休憩時は積極的に目を閉じることにする。

5.知らなかった。実践してみる。

6.知っていた。仮眠をどこでどうやってとるのかが課題・・・

7.知っていたし、実践している。

8.知っていたし、実践しようとしたが挫折。仕事量を減らさないと実践できない。

9.知らなかった。個人差はあると思うが、7時間睡眠を実践してみたい。

 

大学生のときに読み漁ったので、社会人になってからはあえて読まない様に避けてきたが、たまには自己啓発本も良いのかもしれない。

 

ジョジョの奇妙な冒険

ここ2年ほど、息子が、本棚にある漫画を勝手に読むようになった。
最初はドラえもんばかり読んでいたが、昨日、「ジョジョの奇妙な冒険」を読んでいた。1巻を読み始めてとまらず、2巻まで一気に読んだようだ。

自分と同じものを息子が楽しむようになったことに、驚きと、うれしさがあった。それと同時に、ジョジョを楽しむ自分の精神がある意味で小学3年生のころから変わっていないのだということが少しショックだった。

三つ子の魂百まで・・・

ジョジョの奇妙な冒険 1 (ジャンプコミックス)

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