正しい判断のためには

 「正しい判断のためには正しい認識が必要だ」と15年前にある人に教わった。なるほど、と得心してそれ以後ずっと記憶にとどめている。ここで書いておきたいのは、では、「正しい認識はどうやって得られるのか」ということだ。
 現地・現場・現物とはよく言うが、それだけでは足りない。その事象にまつわる過去を知る必要がある。過去を知るには体系化された記録が要る。例えば会社の金銭の動きに関してそれをになうのが簿記であり、会計だ。そう考えると、企業活動のあらゆる分野において簿記に相当するような体系的な記録法方が確立されていなければ、その分野の担当者も、経営者も、正しい判断ができない。だからマネジメント活動は、記録の体系の確立なくして成り立たない。ISOなどの手順が記録を重視するのは当然である。

 自分は「記録を体系的に残す」ことへのコダワリが薄いので、もっとコダワルことにする。それがたぶんいま抱えている限界を超える為の突破口になるだろう。新しいモノゴトをはじめるときに最初から行うべきなので、やはり最初が肝心。あせって手を動かす前に、記録の体系をつくるかどうかが長期的な成否を分ける。