マネジメント信仰が会社を滅ぼす、だろうか。

マネジメント信仰が会社を滅ぼす (新潮新書)

マネジメント信仰が会社を滅ぼす (新潮新書)

「文系・大卒・30歳以上がクビになる」と著者が同じ。この本も切り口は面白い。しかし掲載事例は決して多いとは言えない。やや説得力に欠けている点も前作と似ている。
マネジメントと言えば最近はドラッカーが流行っているが、この本はドラッカーを否定しているのではない。むしろドラッカーと同じことを主張している。私自身はドラッカーを12年前から読んでいるのだが、ドラッカーは、どの本だったか忘れたけれど「物事を適切に行うこと(効率的に処理すること)よりも、適切なことを行うこと(儲かることをすること)がより重要だ」と主張していたと思う。要するに如何に効率的に物事を処理しても、やろうとしていること自体が適切でなければ意味がないということだ。
著者は「マネジメント」の表層にとらわれた人たちが「物事を適切に行うこと(あるいはそのための方法論」に固執して、本質を見失い、「適切なことを行う」ことができなくなった事例をいろいろ書いてくれている。
読み物としては面白い。