アフガニスタンに水路をつくった中村医師

先日ひさしぶりに一人で、ニュース以外のテレビをみた。いつもは子どもか妻がつけている番組を一緒にみるだけである。

アフガニスタンに用水路をつくった医師の話だった。ペシャワール会というNGOが資金を出してバックアップしているようだ。現地に医療にいったものの、水がないから救えない。食料がないから治らない。当時の現地では用水路をつくることこそが医療だ、と思ったらしい。

土建業の経験ゼロで用水路をつくってしまったことは驚きだったが、感動したのはそこではない。実際に用水路をつくって水をひくと、干上がっていた大地が、見事によみがえっていたことに感動した。稲刈りもできるようになっていた。用水路を引く前後を、鮮明にみたことはなかった。ものすごい変化だ。

それともう1つ感動したのは、用水路の後、現地にモスクをつくる話が持ち上がった際、そのことの方が用水路よりも現地の人たちには喜ばれた、という中村医師のコメント。「これで解放された」と現地の人が言ったらしい。「自分たちの文化を否定されるような抑圧からの解放」ということらしい。自分には想像の及ばない、深い信仰があることを知らされた。

水を飲む。神に祈る。どちらも人間には欠かせないものだと思う。自分は水の方が重要だと思うが、ただ生きるだけでなく、人間であるためには、祈ることの方が重要なのかもしれない。