歴史とは何か

歴史とはなにか (文春新書)

歴史とはなにか (文春新書)

印象に残った内容を箇条書きで紹介。

  • 国家や国民といった概念には、発生から現在までたかだか二百年程度の歴史しかない。
  • 国民国家は戦争に強いから流行った。
  • 日本はその地理的特性から、国民国家が成立しやすかった。
  • 日本天皇は天智・天武天皇のあたり(7世紀)からが実際。その前の天皇の歴史話は創作された神話。
  • フランスという国を造ったのはナポレオン。
  • フランスやドイツでは国語は自然な口語ではない。(日本でも方言と標準語が全然違うのと同じ?)
  • 中国は国民国家を目指している。
  • 日清戦争後、清から日本にたくさんの留学生がきた。中国という国家の成立には日本の影響も色濃い。
  • 朝貢というのは臣下の礼ではなく、外部団体の代表が中国皇帝に対して仁義を切るための挨拶。
  • ヨーロッパ統合は国民国家の次を模索する動き。


細かな記述も少なくないため、退屈な部分もある。全体としては刺激的な本である。歴史に興味のある人は読んでおいて損はない。受験勉強のときにこういった本を読んで歴史の本質を考え出してしまうと、暗記の勉強がバカバカしくなって大学受験にプラスにならないような気がするので、大学受験を終えた人にお勧めしたい。

ここ数年、こういう本にとても面白みを感じるようになった。通勤電車で1回10分に満たない読書時間だが、チマチマ読み進めるのも意外と楽しい。