原発はなぜ必要だったか

先日、反原発を代表する本(原発が許されない理由)を読んでからずっと考えているのは「なぜ原発は必要だったか」ということ。確かに、反原発を代表する小出さんの本を読むと「原発は不要だし、今後も無い方がいい。そもそも作る必要がなかったのではないか」と感じる。しかし、現在目にみえる結果だけで、過去の経緯を全否定するのは安直にすぎる。世の中そう単純なものじゃないから、原発が、その技術的な矛盾を抱えながらも必要とされてきたことには必ず理由があるだろう。そう思って考えてみた。

いくつか思い当たったことがある。

ひとつは「侵略戦争が当たり前だった時代背景」だ。安全保障上の理由から、戦後間もない日本には原子力発電所が必要だったに違いない。石炭や石油の輸入(補給)ルートが断たれたら、日本は必然的に負ける、つまり侵略される恐れがある(このリスクは今日もある)。そもそも太平洋戦争も資源確保のためのギリギリの選択だった。エネルギー資源を国内で自立的に賄うには、原子力発電しか手段がなかったのかもしれない。そして、いまも実はこの観点では原発しか選択肢がないのかもしれない・・・。